洪水が運んだ殉教者供養の六地蔵
どんな伝承か
墓地の入口には六地蔵や六面幢に地蔵を彫って建てる。六道の辻の信仰から来たもので、三途の川原で死者を導き、六道の衆生を救済してくれる地蔵として、棺に六文銭を入れてやるのもこの地蔵への賽銭だとされている。米沢市桶屋町の栄松寺の六地蔵は、キリシタン殉教者の供養のためのものと言われる。南原糠山の五十名を越す殉教者のために、秘かに芳泉町に安置したものが、文政七年に洪水で流れついたのがここであった。しかも洪水で堤防が破れたのに、この六地蔵が破れたところに引っ掛かって町に水が入るのを防いだということから、栄松寺の住職がここに遷座したものと言われている。子供の夜泣きと百日咳に効験があるとされている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活・民俗調査)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)』所収の禁忌・卜占・予兆・生活の中の神々・死霊。山形県置賜地方に伝わる民間信仰を採録する。