火種と引き換えに棺桶を預かる嫁
どんな伝承か
「正直なお嫁さんの話」は、話型でいう大歳の火にあたる昔話である。決して絶やしてはならないとされる炉の火種を、嫁が大歳の晩に絶やしてしまう。困った嫁は通りかかった爺さんから火種を分けてもらうが、その代わりに棺桶を預かることになり、気が気でない。とうとう堪えきれずに家の者へ正直に打ち明けると、棺桶の中から小判が出てきた。この嫁さんは毎日正直に一生懸命働いたから神様がご褒美をくださったのだ、と語り納められる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史)
『脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承』は、下北半島の最西端にある脇野沢村の村史民俗編のうち、口承文芸を扱った第七章である。村で採集した一一七話の昔話の特色と語りの場・語り手、地名をめぐる伝説、人を化かすキツネや狐の嫁取り・仇討ちの世間話、夢の予兆をめぐる伝承、天候や豊漁・豊作の諺を収める。章を昔話、伝説と世間話、諺と言葉遊びの三節に分け、昔話には『日本昔話大成』の話型分類による対照表を付す。