飛ぶ鳥のごとき案内と堀越
どんな伝承か
昔、堀越の地は伊沢、深山沢、草和気と呼ばれ、それぞれ一部落をなしていた。延暦二十年、坂上田村麻呂の東征の際、深山沢の十一戸の人民が将軍を案内して達谷の洞窟へ向かったが、その丘陵渓谷を進む足の速いことは飛ぶ鳥のようであった。そこで田村麻呂はその部落を堀越と呼び、以後この地方一帯を堀越村と称するようになったという。一説には、犬がいて渓谷を跳び走り将軍を案内したので堀越になったとも伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史)
『船引町史 民俗編――昔話と伝説』は、船引町が編んだ町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。昭和五十三年春から町内を回って集めた昔話を話者の名を添えて土地の言葉のまま載せ、坂上田村麻呂や安倍貞任にまつわる地名・社寺の由来など町内の伝説を併せて記す。第一節では語り収めの句、葉煙草ののし作業を語りの座とした伝承の環境、語り手の系譜を論じ、第二節では伝説を自然・歴史・宗教の三つに分けて紹介する。