谷地を埋めて造った堀越の土樋
どんな伝承か
田村郡船引町の大字堀越に、土樋と呼ばれる場所がある。字早坂から水を引いて字永橋へ通ずる水路のことで、途中の百余間にわたる谷地を埋めて土の樋を造ったものだという。永橋から本郷方面の田地を灌漑し、旱魃を防ぐ役に立ったものだといわれた。いつ頃の工事であるかははっきりしていないが、堀越の舘主が磐城氏に滅ぼされたのち帰農して地域の開拓に力を注いだと伝えられるので、その時代のものであろうといわれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
船引町史 民俗編――昔話と伝説(船引町(編)・船引町史)
『船引町史 民俗編――昔話と伝説』は、船引町が編んだ町史民俗編のうち、第十一章「昔話と伝説」を収めたものである。昭和五十三年春から町内を回って集めた昔話を話者の名を添えて土地の言葉のまま載せ、坂上田村麻呂や安倍貞任にまつわる地名・社寺の由来など町内の伝説を併せて記す。第一節では語り収めの句、葉煙草ののし作業を語りの座とした伝承の環境、語り手の系譜を論じ、第二節では伝説を自然・歴史・宗教の三つに分けて紹介する。