二月十六日に伐らぬ木
どんな伝承か
文部省の迷信調査協議会が昭和二十一年に全国の小学校を通じて集めた慣習調査で、秋田県の農村にあたる仙北郡千屋小学校の区域から報告された俗信。二月十六日は木を切らないという。同書はこれを農業に関するもののうち竹木の項に置き、第四十一例として挙げ、日暮れに竹を切らない長野県伍和の例と並べている。第三章の言い習わし集にも「二月十六日は木を切らない・・・・・・秋田(農)」として再び載り、巻末の暦法の解説でも日を限って伐採を忌む例として取り上げられている。
原典より
海女が海へ出る時もし十月十八日に沖へ出て死んだというとそ の日は沖へ出ない・・・・・・新潟(漁)夜口笛を吹くと盗人が来る……………滋賀(農)宮崎(漁)長野(都) 長野(農)溫明夜口笛を吹くといけない・・・・・・三重(漁)…—— 日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。