ひしゃくをかつぐと雨になる
どんな伝承か
文部省が昭和二十一年に集めた言い習わしのうち、雨を呼ぶとされる禁忌の一つとして長野県の農村の学校から報告された俗信で、柄杓を肩にかついで歩くと雨になるという。森秀男は、着物を裏返しに着ること、蛇を殺すことと並べてこれを挙げ、行いと報いが結びついていると信じられる限り、人々は禁を破ろうとしなかったと論じている。
原典より
* 彼岸に大根畑へ行くと大根がくさる……滋賀(山村)* 麦蒔の時うね落しをすると其の年は悪い……三重(農)* 家の中で帽子をきるとナスビがならない……香川(農)* 船に薬をたくと不漁になる……………秋田(漁)* 漁夫が出…—— 日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 2――俗信と迷信(迷信調査協議会・日本の俗信・1951年(昭和26年))
『日本の俗信 2――俗信と迷信』は、迷信調査協議会が文部省への第二回報告書として編んだ答申書で、まえがきに昭和二十六年十二月の日付がある。迷信の定義や時代性、俗信と生活慣習の区別を委員たちが論じ、食い合わせや守札、憑きもの、河童の名称の分布、迷信による殺人の精神鑑定例などを取り上げる。総論と座談会、各論、結婚・妊娠の迷信の解明、新聞の社説・投書を集めた附録の四章から成る。