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堺恋しと歌った妙国寺の蘇鉄の精

所在地大阪府堺市堺区(妙国寺)
年代古代〜現代(妖怪史)
登場豊臣秀吉、蘇鉄を桃山城へ移させた
出典にっぽん妖怪の謎

どんな伝承か

妖怪は実際に現れると信じられた存在だった。鳥山石燕の画図の「木魅」には老松と翁・嫗が描かれ、百年を経た木には神が宿って姿を現すと記される。花が人の首の形で笑い続ける「人間樹」や、山深く滝の響く木の根元にひそむ黒い犬のような「彭侯」も、千年の木の精だという。また『夜窓鬼談』によれば、文禄三年、豊臣秀吉が堺の妙国寺の蘇鉄を伏見の桃山城へ移したところ、その精が老人の姿で現れて「堺恋し」と歌ったため、再びもとの寺へ戻したと伝わる。

原典より

そして『夜窓鬼談』には、文禄三年(一五九四)、堺妙国寺の蘇鉄を豊臣秀吉が桃山城中に移植したところ、芭蕉の精が老翁となって、「堺恋し」と歌ったので、ふたたび旧園に移し還したとある。—— にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・1992年(平成4年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・1992年(平成4年))

『にっぽん妖怪の謎』は、阿部正路が平成四年に著した日本の妖怪論である。神の零落した姿としての妖怪という見方から、記紀や『今昔物語集』『太平記』、西鶴や『耳袋』、鳥山石燕の画図、近代文学や漫画までを引き、鬼・天狗・河童・狐・蛇・鵼などの出現と変遷を論じる。五章に分け、魔女・妖精・吸血鬼など外国の妖怪を扱う十篇のコラムを挟み、あとがきでは秋田の将軍野に生まれ柳田国男・折口信夫の門流につながる著者の来歴を語る。

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