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枚岡明神の油を盗む山姥の首

所在地大阪府東大阪市出雲井町(枚岡神社)
年代古代〜現代(妖怪史)
登場阿部正路
出典にっぽん妖怪の謎

どんな伝承か

井原西鶴の『諸国ばなし』巻五によれば、河内国の枚岡に、連れ添った男が十一人も次々に亡くなったのに、自分だけは八十八歳まで生きた老婆がいた。白髪の恐ろしげな姿となって木綿糸を紡いで暮らしたが、夜なべの灯油も買えず、近くの枚岡明神の灯明の油を盗んでいた。社人たちが見張ると、真夜中に山姥のような者が神前に上がってきた。弓の名手が雁股の矢で射ると細い首が落ち、首は火を吹きながら天へ昇った。その後も首は夜ごとに現れ、この火に肩を越された者は三年と生きなかったという。『河内鑑名所記』はこれを姥が火と呼び、雨の夜には今も出ると記す。

原典より

その後も、山姥の首が夜な夜な出現して、往来の人びとを驚かせ、気を失わせたが、この山姥の火に追いかけられて、肩を越された者で、三年と生きのびたものはいないという。—— にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・1992年(平成4年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

にっぽん妖怪の謎(阿部正路・阿部正路・妖怪学・1992年(平成4年))

『にっぽん妖怪の謎』は、阿部正路が平成四年に著した日本の妖怪論である。神の零落した姿としての妖怪という見方から、記紀や『今昔物語集』『太平記』、西鶴や『耳袋』、鳥山石燕の画図、近代文学や漫画までを引き、鬼・天狗・河童・狐・蛇・鵼などの出現と変遷を論じる。五章に分け、魔女・妖精・吸血鬼など外国の妖怪を扱う十篇のコラムを挟み、あとがきでは秋田の将軍野に生まれ柳田国男・折口信夫の門流につながる著者の来歴を語る。

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