夕暮れの橋で小豆をとぐ音
どんな伝承か
尻高字熊野で語られたアズキアライの話。人家から少し離れたところに橋があり、夕方その橋を渡るとアズキアライが出て、ざく、ざくと音を立てるといわれた。そこを通る人はみな怖い思いをしたという。正体はキツネが川へ尻尾を差し入れ、かさかさと水をかきまわしているのだともいい、そのときに聞こえる音がざく、ざくと小豆をとぐ音そっくりに響くのだと語られている。
原典より
人家からすこしはなれたところに橋があり、そこを夕方渡るとき、アズキアライが出て、ザク、ザクと音がするといわれた。—— 高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
高山村の民俗――昔話(群馬県民俗調査報告書 第21集・群馬県民俗調査報告書)
『高山村の民俗――昔話』は、群馬県民俗調査報告書の第二十一集から、年中行事の末尾と「口頭伝承」の部を収めたものである。口頭伝承は昔話・伝説・世間話の三つに分け、桃太郎・蛇婿入り・食わずの女房などの昔話、弘法の投筆や椀貸の渕・小太郎渕の伝説、怪力の馬之丞やアズキトギ・見越シ入道・かくしばあさんの世間話を載せる。各話の末尾には、中山字原・尻高字熊野・北之谷などの採録地と話者を添える。