盗賊の埋めた金銀がムカデに化けた土人山
どんな伝承か
神明町五丁目には土人山という山林があり、大正の初めごろまでは木々がうっそうと茂っていた。福井藩二代藩主の松平忠直が鳥羽野を開拓させたのは、カヤ原の続くこの一帯に追いはぎや盗賊がたびたび出て、街道を行き来する人々を脅かしていたので、その害を絶とうとしたのがきっかけだったという。土人山はその盗賊たちの根城で、彼らは豊臣方の落武者だったらしいと伝える。山には奪った金銀が埋められているとも言われるが、見つけた者はいない。代わりにムカデがたくさん棲みついており、これは埋めた金銀が化けたものだとも言われた。
原典より
神明町五丁目に土人山という山林地帯があった。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。