藩主の夢に冤罪を訴えた杢右ヱ門の霊
どんな伝承か
西山公園のゴルフ練習場のそばに石の祠がある。もとは北陸電力鯖江営業所の場所にあったが、移転の際にここへ移された。享保十九年三月、三代藩主間部詮方のとき、勘定役の平柳杢右ヱ門は上役の讒言により米札をごまかしたとして斬られ、子の杢之助も牢に入れられて同じ年の十月に病死した。およそ百年後、八代藩主詮勝の夢に礼装の武士が現れ、平柳杢右ヱ門だと名乗って毎晩無実を訴えた。調べさせると濡れ衣と判明し、詮勝は大虫村の常福寺で父子の法会を営み、家の再興を命じた。この祠も杢右ヱ門の霊を慰めるため詮勝が建てたという。
原典より
西山公園のゴルフ練習場の傍に石の祠がある。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。