千人の首を誓った金井谷五郎と首塚
どんな伝承か
昔、金井谷五郎という武士が天下を取ろうと志し、神明社に千人の首を供えると誓った。谷五郎は木の生い茂る山中に潜み、礼野を行き来する者を毎日斬っては神前に供えた。そこへ武者修行中の由井正雪が参詣し、神前の首を怪しんだ。谷五郎は刀を抜いて躍りかかったが、正雪は身をかわして応じ、なかなか決着がつかない。ついに刀を引いて名乗り合うと、相手が正雪と知った谷五郎は大いに驚いて降参し、以来首を供えるのをやめたという。首塚は社前の大鳥居の近くにあったとされるが今は所在がわからず、血刀を洗った池は三六町にあったという。
原典より
昔、金井谷五郎という武士がいて、天下の覇者になろうと志し、神明社に祈願して、千人の首級を供えることを誓った。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。