岡山の南端で聞いた天狗倒しの音
どんな伝承か
五十年ほど前のこと、豊地区の村人二、三人が盆踊りの帰りに夜遅くいつもの道を通り、岡山の南端まで来ると、山の上から大木を切り倒す斧の音が聞こえてきた。顔を見合わせて立ち止まり、また歩き出すと、近づくにつれて斧の音はいよいよ速くなった。その間近に来たとたん、みしみしと大きな地響きを立てて足もとに大木が倒れてきたように思え、三人とも夢中で家へ逃げ帰った。翌日その場所を見に行くと、何も倒れてはいなかったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。