白衣の僧の夢告で迎えた観音
どんな伝承か
鯖江市戸口町、河和田川沿いの県道を北へ行き、川が西北へ曲がるあたりを右へ折れて上ると、山ぎわの長い石段の上に古めかしい観音堂がある。明治三年に鯖江藩庁へ提出された神社明細書上によれば、延久年中、当地の甚右衛門が全盛の折、屋敷の傍らに聖観世音を安置して守り本尊としたのが始まりという。また元和三年正月二日には、川和田中村の善右衛門の枕上に白衣の僧が立ち、われは鎌数谷の観音である、戸口山下の甚右衛門方へ連れて行けと夢に告げた。善右衛門が翌日その旨を伝えると、甚右衛門は驚いてすぐに安置したという。堂は寛政十年の改築で、昭和四十七年四月に再び改築された。
原典より
戸口町の河和田川沿いに県道を北に向かうと、川が西北に曲がって道とわかれるあたり、右手に折れて上っていくと、山ぎわの長い石段の上に古めかしい堂が仰がれる。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。