瑞光寺に眠る唐渡りの万箇将軍
どんな伝承か
万箇将軍の墓は、瑞光寺の境内背後の山端にある。昔、大織冠鎌足の息女白女という者が唐に渡って高宗皇帝の妃となり、万箇将軍を日本に遣わして琴・硯・玉の三つの宝器を朝廷に献じさせた。天平五年、聖武天皇の時に将軍が帰国しようとしたところ、海上が大時化となって乗船がくつがえり、由利の海岸に漂着したが、将軍はすでに息絶えていた。やむをえず従者がその地で亡骸を火葬に付すと、煙は不思議にも紫雲となって遠くたなびき、垂れた先が瑞光寺であった。それで瑞光寺は将軍ゆかりの地として、この地に遺骨を厚く葬ったという。
原典より
万箇将軍の墓は、瑞光寺境内背後の山端にある。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。