雪中の小蛇が示した白岩岳の薬師像
どんな伝承か
白岩村広久内の佐藤久左エ門家の祖先は、名高いマタギであった。永正二年二月の頃、久左エ門の先祖が白岩岳に狩りに登り、頂上で一服して休んでいると、傍らの雪の中から蒼い小蛇が現れ、くるくると三度回って、また雪の中へ潜っていった。この季節に深い雪の中から蛇が出るのは不思議だと、その場を掘ってみたところ、薬師の小像が出てきた。以来そこに薬師を祀り、山の名も薬師嶽と呼ばれるようになったという。佐藤家には今もその本尊が伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。