頭の口で飯を食う口無し女房
どんな伝承か
山吉田の田畑の西一丁ほどの川前に、口無し沼と呼ぶ周囲数丁の小沼があり、岸の一段高い所に口無屋敷という屋敷跡が残る。昔、この屋敷の先祖に大層けちな若者がいて、妻にするなら口の無い女がよいと言っていた。望みどおり口の無い女が訪ねてきて妻にしたが、米や飯の減りが激しい。裏に隠れて覗くと、女は大釜で飯を炊いて握り飯を作り、髪を解いて頭の真上の大きな口へ手玉のように投げ込んでいた。正体を見られた女は若者を追ったが、若者は菖蒲と蓬の茂る川原谷地に隠れて助かった。その日が五月五日であったという。
原典より
山吉田の田畑の西一丁程の川前の所周囲数丁の小沼があった。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第2巻』所収の「文化叙事伝説」64話(岩手・宮城・秋田)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。