金の斧を断った正直な木樵
どんな伝承か
木樵の爺さんが山へ行くと、お前の落とした斧はこれかと言って、まず金の斧を出された。爺さんは、いやそれではないと答える。次に銀の斧を出されても、それでもないと答え、その次のものもそうではないと言い、最後に自分の落とした斧を出されて、これが自分のだと答えた。正直な爺さんであった。ところが、以前から欲の深い爺さんがいて、同じように木を伐っていて斧を落とした。同じように尋ねられると、最初に出されたものも、次のものも、銀の斧も自分のではないと言い、金の斧を出されたときに、それが自分のだと言った。この爺さんは叱られて、帰ってこられなかったという。
原典より
<柳田―「斧沼」>木樵のお爺さんが山へ行ったところが「お前の落した斧はこれか」っと、最初に金の斧を出したと。—— 日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第2巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第2巻』は、岩手・宮城・秋田の三県に伝わる伝説を話の型ごとに集めた伝説資料集である。山の争いや沼の主の手紙、巨人の足跡、八郎太郎、ザシキワラシ、河童、掃部長者などの伝説を、口承の聞き書きと近世以降の地誌・縁起から採る。凡例のとおり各項は伝承地を示した例話を冒頭に据え、〔類話〕〔文献〕〔参考〕を続け、柳田・高木による話型名を添えた項もある。