宿の礼に埋めた焼栗と孝順寺
どんな伝承か
流浪の途中、親鸞は保田の里の渡辺源五郎の家に一夜の宿を乞うた。折しも法会の最中で読経を頼まれ、それが縁でしばらく滞在して近隣の教化に努める。渡辺夫妻は帰依して我が家を寺とし、焼栗山孝順寺と称した。上人が発つ日、夫妻は迎えた日と同じく焼栗をふるまう。上人はそれを庭に埋め、我が法が栄えるなら焼栗は芽を出し年に三度花咲き実を結ぶだろうと言い残して去り、そのとおりに繁茂したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。