河童の腕と猫山アイスの由来
どんな伝承か
骨つぎと膏薬アイスで知られる宮尾家の五代前の当主は、北蒲原郡京ヶ瀬村猫山の百姓であったという。ある夕方、家の前の小川で飼い馬を洗っていると、河童が馬を水中へ引き込もうとした。馬の様子がおかしいので急いで陸へ上げたところ、河童は馬の尻に取りついたまま厩まで来てしまった。主人が秣を刈ろうと厩の前を通ると、奥で目が二つ光っている。手で探るとひやりとして生臭い。河童と察して鎌で斬りつけると、悲鳴を上げて川へ逃げ込み、片腕だけが残った。翌晩から河童は腕を返してくれと泣いて家の周りを回り、妙薬を使えば継げると訴える。主人が哀れんで返してやると、河童は骨つぎと打ち身の薬アイスの処方と用法を伝えたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第3巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第3巻』は、山形・福島・新潟の三県に伝わる伝説を集めた叢書『日本伝説大系』の一巻である。湖水の干拓、鮭の大助、八百比丘尼、弥三郎婆、安達ヶ原の鬼婆、産女、雪女房、河童などの話のほか、松・杉・石・池・清水・温泉・長者にまつわる伝説を、口承資料を主に採っている。全体は「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」に分かれ、各項目は例話と伝承地を掲げ、〔類話〕〔文献〕〔参考〕で近世以後の史料や県外の類例を補う。