大雨の中で蛇になった長者の娘
どんな伝承か
十六になった赤堀道元という長者の娘が、駕籠で赤城へ向かった。途中で大雨に降られながらも沼までたどり着き、水が飲みたいと言うので、浅いところで飲めと駕籠から降ろした。すると娘はするすると沼の中へ入ってしまう。長者の娘のことゆえ沼をさらう騒ぎになったが、雨は火の雨のように降りしきってどうにもならなかった。やがて娘は頭だけを出し、こういう姿になったからあきらめてくれと言って蛇になった。五月八日には赤堀家が赤飯の重箱を沼へ投げ込むと、渦を巻いて沈み、空になって浮いてくるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。