眼病を癒した小町の枝垂桜
どんな伝承か
上戸にある観音寺は、もとは別の場所に建っていたという。美人として名の高い小野小町は眼病を患い、各地を転々とした末にこの観音寺へも参籠して百か日の祈願をこめたところ、病はすっかり癒えた。小町はその礼にシダレザクラを寄進し、桜は春ごとに美しい花をつけて村人に愛されたと伝える。この桜は枯れかかると株の根元から新しい芽を吹き、やがてまた大木になるのだという。
原典より
行方郡牛堀町上戸に観音寺という寺があるが、かつては の誌というところにあった。—— 日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第4巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第4巻』は、日本の伝説を話型ごとに集成した叢書『日本伝説大系』の一冊である。茨城・栃木・群馬の三県に伝わる伝説を、男体・赤城の神争いや榛名湖の入水譚、平将門・源義家・親鸞・弘法大師などの事跡、河童・竜宮・長者・石・姥捨・九十九谷などの話型ごとに収める。各項は代表となる伝承地の話を掲げ、〔類話〕に各地の聞き書きを伝承者名や出典とともに並べ、〔文献〕に縁起・地誌などの古記録を抄出し、柳田・高木による話型名を添える。