十を千に変えた泰澄と亀の石像
どんな伝承か
泰澄大師が越知山にいたころ、修行に適した土地を求めて山の主から十年の約束で土地を借りた。やがて十年が過ぎて大師は思い悩み、家来の亀に相談すると、十の字の上に点を一つ付ければ千になると教えられた。約束の日に山の主がやって来たので証文を見せると、期限は千年の末になっており、山の主は驚き怒って山へ帰ってしまったという。その亀の石像が今も雄島の社務所の前にある。以前はこの亀に触ると海が荒れるといって、誰も手を触れる者がなかったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。