三度海へ飛んだ鏑矢と立矢の名
どんな伝承か
昔、福井のあたりは一面に水が満ちていた。これは悪竜のしわざだという。継体天皇はこれを退治しようと足羽山の上に立ち、鏑矢を一本射た。矢は水の上をぐるぐると廻っていたが、やがて海の方へ飛んで行き、それにつれて水も海へ退いていった。矢は三度海まで往復し、水がなくなると地上に落ちて突き立った。そこが今の立矢であると伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。