釜に落ちた雷が残した霊薬
どんな伝承か
三ツ橋の法興寺に、あるとき雷が落ちて大きな釜の中へ飛び込んだ。和尚がすかさず蓋をして閉じ込めると、中から、かんころしという薬を差し出すから助けてくれと声がした。蓋を開けてやると、雷は釜へ薬を残して逃げ去ったという。その薬はよく効くと評判になり、いまも寺で売られている。それ以来、法興寺には雷が落ちないと伝えられる。
原典より
〈高木―「八幡宮の井戸」 柳田―「雷松」>昔、三ッ橋の法興寺の大きな釜の中へ雷が落ちてきたので和尚が蓋をしたところが、かんころしをあげるから助けてくれというので蓋を開けると、釜の中へかんころしを置いて逃げ去った。—— 日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。