餅を煮た鍋から出た白蛇
どんな伝承か
旧足羽郡社村のある家では、正月に餅を食べない。昔、戦のさなかに落ち武者をかくまいながら、欲に目がくらんで敵の手へ引き渡した。その武士が家の者に、自分を売った報いとして正月に餅を食えば祟りがあると言い残したからだという。以来その家では正月でも餅を口にしなかった。のちに不審に思った女中が正月に餅を煮たところ、鍋から白蛇が這い出て自在鉤の上へ上がっていったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。