橋になりたがった小島の地蔵
どんな伝承か
射水の大島町小島には石名橋という橋がある。ずっと昔、小島の村は籠屋敷という地にあり、今の小島へ移ったとき、村の地蔵をそのまま残してきた。相談のうえ大勢で運び出したところ、翌日、地蔵が村人の夢枕に立って元の場所へ帰りたいと告げた。戻すと不思議に軽々と運べたという。やがて地蔵は知らぬ間に小川の橋になっていた。もったいないと起こして地蔵の場所へ運んでも、いつのまにかまた橋に戻ってしまう。とうとう地蔵は夢に現れ、橋となって人の往来の役に立つのは少しも苦ではなく、それを縁に仏道へ導かれるのが嬉しいのだと告げて消えた。以来そのまま石名橋として残っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第6巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第6巻』は、富山・石川・福井の北陸三県の伝説を集めた伝説集成の一巻である。神々の国争い、弘法大師や義経の遍歴、片目の魚、猿神や化物の退治など、伝承地を示した話を掲げ、県別の類話と古記録の文献記事を添える。巻末に福田晃の解説「主人公にたどる伝承世界」と、県ごとに近世の地誌から市町村史・民話集までを並べた使用資料一覧を置く。