御所貝津に残る尹良親王の遺跡
どんな伝承か
北設楽郡稲武町大字御所貝津字笹平(現豊田市御所貝津町笹平)に伝わる。宗良親王の皇子尹良親王が笹平の水クサに一時潜伏したことから、この地を御所垣内といい、のち御所貝津と書くようになった。黒田川に沿う真弓山は、親王が砦を設けて見張り所を置いた所といい、「ひきつれてまといせむとや思うとち秋は真弓の山に入るらむ」の歌が伝わる。笹平の青木家には親王が使ったという井戸があり、長雨の折に急に水があふれると晴天になるという。近くのみたらい場の水はいぼに効くといい、山中のひのきの大木のそばの御守神の祠は、疱瘡で十九歳で亡くなった妃琴姫の終焉の地と伝える。ほかに福州青磁の皿と桑の木の膳、愛馬竜の駒の蹄跡の石、神馬草の転じたかんばあさ、真弓橋、堂貝戸橋のたもとの腰かけ石などが伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。