正寿寺に残る親王ゆかりの品々
どんな伝承か
北設楽郡稲武町の旧武節村黒田(現豊田市黒田町)に伝わる。吉祥山正寿寺の山号と寺号は尹良親王の命名によるという。この寺には親王の直筆と伝える和歌の小切、御書写と伝える大般若経三巻、書写に使った硯が残る。境内や付近には、親王が弓術を楽しんだ的場、毎日鳥を取って楽しんだ御所屋、鳥もちを洗ったもちあらい石、その折に風呂に入った風呂ヶ洞がある。御所屋には親王の歌を刻した碑があり、土地の人はこれを尹良様と称して旧五月十日に祭りをする。黒田区では団子を作って尹良様に供え、のち子供に配るという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。