山肌を赤くした天狗の足場
どんな伝承か
昔、加賀の白山に天狗が棲んでいた。ある日、退屈しきった天狗は三方崩山から木谷の山々へと、山を足場にして遊び回った。そのため足場になった山肌はすさまじい爪をかけられて草木が根こそぎむしり取られ、赤肌になってしまったのだという(「ひだびと」第四年二号)。同じ大野郡の朝日村や高根村、宮村などにも、鉦太鼓を持って雨乞いをする天狗岩や、牛を絶壁に閉じ込めていたずらをする天狗、曲物師の心を言い当てる天狗など、天狗にまつわる類話が数多く伝わっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。