木器を生業とした京丸の開祖
どんな伝承か
『嶽南史』第四巻が記す。遠州の北の果ての山間に京丸という所がある。昔、京の人で藤原佐衛門佐という者が多くの従者を率い、世の乱れを逃れてこの地に至り、木器を作ることを生業とした。これが京丸の開祖と言い伝えられる。その子孫とされる家には今も冠や衣服、武具が宝として伝わり、冠婚葬祭も同族だけで済ませ、他郷と通じず他族を交えることがない。かつて親鸞上人がこの地を訪れ阿弥陀仏の像を描き与えたので、郷人は喜び、以来葬儀のたびにこの画像を掲げて導師の代わりとしてきた。太古の素朴な風がそのまま残り、長らく村名さえ無かったが、検地を経て初めて京丸村と名付けられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第7巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全97話(愛知・岐阜・長野・静岡=中部)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。