白犬に乗る老翁と清園寺三坊の由来
どんな伝承か
「清園寺縁起一本」の伝え。用明天皇の御世、第三の王子である麻呂子親王が十七歳で丹波・丹後へ向かった。天照大神の御鏡を先に立て、猿田彦尊や日吉山王らを拝して山々里々を狩り集めたが、妖怪は一向に出てこない。そこへ八十八ばかりの老翁が現れ、天照大神と天神地祇を祀って神事を行えば狩り出せると告げて消えた。教えのとおり神守に宮柱を立てて祀ると、老翁は白犬に乗り弓矢を携えて空中に現れる。奥山で四狐人鬼と山賊八百人あまりを日夜にわたって攻め、ついに討ち果たした。のち鎌倉山清園寺の三坊が建てられ、親王の馬鞍や旗、八重鎌が納められたと記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。