尾で庭を掃いた狐の嫁
どんな伝承か
信太の森の白狐は狩人の阿部の保名に助けてもらい、報恩のために妻となった。保名のいない間に蛇や蛙をとって来て食べたり、尾で庭を掃いたりするので、子が「うちのお母は嫌らしい」と言う。何がと問うと、蛙や蛇をとって来て食べたり尾で庭を掃いたりするのだと答える。嘘だと思うなら田へ行く顔をして天井へ上って見ていろというので、翌朝そのようにして見ていると、本当に蛇や蛙をとって来て食べ、尾で庭を掃いていた。それでその嫁を去らせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。