身を売って恩返しした信太の狐
どんな伝承か
泉北郡北池田村の女鹿阪の上、上野原という村に、紀州から木綿を運ぶ惣兵衛という商人がいた。ある日、松の木の下に美しい娘が現れ、惣兵衛の油揚げ飯を欲しがった。娘は信太の森に棲む尾の白い狐オモシロで、恩返しにと大阪新町の遊女屋・吉田屋に自らを売らせ、その代金千両を惣兵衛に与えて富ませたうえ、大和の芝居まで見せてもてなしたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。