姦通の夢に嫉妬して妻を玄翁で殴った男
どんな伝承か
観念運動の実例として新聞記事が引かれている。十六日午前六時半ごろ、大阪府下泉北郡横山村の天満松太郎(三一)が、突然、同衾していた妻すみ(三一)を玄翁で殴りつけて重傷を負わせて殺し、自らも玄翁で頭を殴って九死の重傷を負った。三橋分署員が取り調べると、妻すみが他の男と姦通する夢を見て嫉妬を起こし、突然凶行に及んだものだという。日頃の疑いが強い観念となって残り、眠って意識が静止したときに潜在識の活動となって姦通を幻覚し、無意識のうちに凶行に及んだのだと説かれている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
心霊現象治病法(心霊学研究会・1940年(昭和15年))
『心霊現象治病法』は、心霊学研究会が昭和十五年に発行した心霊療法の手引書である。精神を心理学と唯識の八識説で説き分け、暗示と感応、睡眠と覚醒、肉体と精神の存滅を論じたうえで、薬に頼らず観念と精神統一で病を治すことを唱え、大正十一年の治療の例などを挙げる。第四編「疾病と心霊療法」の後に附録の第五編「実験」を置いて霊動術・金剛力・剣の刃渡り・熱湯熱火を防ぐ法・感応術の修め方を説き、「発心の一言を残して」で結ぶ。