日本書紀が記す金色の霊鳥
どんな伝承か
十二月、皇軍はついに長髄彦を撃ったが、連戦しても勝つことができなかった。そのとき忽然として空が翳り雨氷が降り、金色の霊しきものが飛び来って天皇の弓の弭にとまった。その光り輝くさまは電のようで、長髄彦の軍は眩んで戦うことができなかったという。のち饒速日命は、天磐船に乗って天降った天神の子であり、長髄彦の妹を娶って可美真手命をもうけていたが、長髄彦が天心の際を解さぬのを見てこれを殺し、しるしの表物を天皇に示して帰順したと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。