石を投げ返す牛鬼淵の底の洞穴
どんな伝承か
和歌山県すさみ町に牛鬼淵と呼ばれる淵がある。直径は三間ばかりで、周りの岩石は屏風を立てたようにそそり立ち、底には海の水に通じる洞穴があるという。この淵の水が濁っている時は鬼が来ているのだといわれた。また淵へ石を投げ込むと、翌日には必ず取り出されて手前の岩の上に置かれているという。毎月二十三日の夜には、この淵で鬼の泣く声が聞こえるとも伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。