恩賀島に現れた三神女と鉾
どんな伝承か
伝記によれば、推古天皇の端正五年十一月十二日、内舎人の佐伯鞍職が恩賀島で釣をしていると、西の方から紅の帆を張った船が来た。船の中には瓶があり、瓶の中には鉾が立って赤い幣がつけられ、三人の神女がいた。神女は、わが名は厳島の大神、百王を守護するものだと告げた。鞍職が何をもって証とするかと問うと、王城に星が現れ烏が榊の枝をくわえるであろうと答えた。鞍職が仕えると験があらわれ、帝は勅を下して宮社を建てさせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。