つつぼを盗ませ足跡を雪で消した大師
どんな伝承か
跡隠しの雪の類話。勝田郡勝田町(現美作市)では、一人暮らしの婆のところへ弘法大師が宿を乞うた。婆が食べ物がないと断ると、大師は隣家につつぼ(くず米)があるので取ってきて食わせてくれという。婆が足が悪く、足跡で盗みが知れると案じると、大師は雪で消してやるという。婆がつつぼを取りに行って食べさせると、翌朝には雪が降って足跡を隠した。以来、十二月二十三日には大師講といって、つつぼで団子を作って食べるようになったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。