夢に帰郷を告げた大田村の阿弥陀石仏
どんな伝承か
津山市の旧大田村、粉成屋というところに阿弥陀の石仏がある。宝永のころ堂が壊れ、石仏は苫田井手の渡し場で飛石にされていた。沼村の農民清兵衛がこれを見て驚き、信心して自分の家へ迎えようとしたが動かせない。一生のあいだ安置したいと願をかけて改めて取ると、こんどは納まったので、喜んで丁重に祀った。年を経た享保七年十二月下旬、大田村へ帰りたいと三夜続けて夢に告げたので、与四郎という者が背負って今の堂地へ返した。その翌年の元日、清兵衛は死んだ。人々はいよいよ仏だと信じ、志ある者が堂を建てて仏を納めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第10巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全85話(岡山・広島・山口=中国地方)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。