たもとの小石が育った三子岩
どんな伝承か
浅口郡鴨方町、遙照山のふもとにあたるダムの工事地に、三子岩と呼ばれる大岩がある。昔、この土地に住む三歳の男児が、小さな石をひとつ着物のたもとに入れて持ち歩いていた。その子が何気なく石を置いたところ、石はみるみる膨れ上がり、高さ七メートルほどの岩になったという。以来これを三子岩と呼んでいる。形は三角の握り飯を逆さにしたようで、地面に接している部分はごくわずかしかない。大正十二、三年ごろには願いがかなう霊験ある岩として、参拝の人でにぎわった時期もあった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第10巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第10巻』は、全国の伝説を型ごとに分けて集めた叢書の一巻である。岡山・広島・山口の三県を伝承地とし、蘇民将来、吉備津彦と温羅、厚狭の寝太郎、化け猫、河童駒引き、夜泣き石、姥棄て山などの伝説を、聞き書きや市町村誌、民話集から採って収める。「文化叙事伝説」と「自然説明伝説」の部に分けて番号順に並べ、各話には伝承地と本文のあとに〔類話〕と近世の地誌などを引く〔文献〕を添える。