櫓の人柱にされた青木の局
どんな伝承か
久松山の中腹には以前小さい祠があり、青木の局という女を祀っていたと伝えられる。昔、山麓に建てられた二ノ丸の三階が火災で焼け落ち、櫓の再建にかかったが、棟上げを前に中程から崩れてしまう。大修理をしても祝いの矢先にまた崩れ、誰も手を出さなくなったころ、人柱が要るという噂が立った。城中でくじを引くと青木の局が当たり、局は人柱となって建物は仕上がった。のち城内に古狐が現れ、見た者は必ず病んだ。城主の夢に狐が立ち、罪なき者を殺した報いに藩内を滅ぼすと告げたので、局を祀ると怪異は止んだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。