座主が衣を乾かした川中の岩
どんな伝承か
衣千岩というのは、当村と上原村との間の川の中にある石である。陸から見ると大きさは二間ばかりで、ふだんはほぼ水面と同じ高さにゆるやかに現れている。これを衣干岩とも袈裟岩とも呼ぶ。昔、比叡山の座主が野坂長者のために鬱憤を抱き、二度と京へ帰らずこの山奥に入って世を去った。その頃、松上山は草木が生い茂って道をふさいでいた。座主が川筋をつたって上って行くとき、誤って水中に転び、濡れた衣をこの石の上で乾かしたのだと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第11巻』所収の「文化叙事伝説」および「自然説明伝説」全56話(鳥取・島根=山陰)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。