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鯖瀬で海に放たれた焼き鯖

所在地徳島県海部郡海陽町鯖瀬(鯖大師)
年代伝承(口承)
登場弘法大師、行基
出典日本伝説大系 第12巻

どんな伝承か

海部郡海南町鯖瀬の寺の縁起。ある時、汚れた身なりの行脚の坊さんが浜辺を通りかかると、買った鯖を焼いている人がいた。坊さんは可哀想だから分けてくれと頼み、逃がしてやるのだと言う。半分焼けた鯖が逃げるものかと笑われたが、坊さんは構わず買い取って海へ放すと、鯖はそのまま生きて泳ぎ去った。この坊さんが弘法大師だったという。別の記録では、牟岐村から浅川村の間の難所八坂八浜で、行基菩薩が馬子の運ぶ鯖を乞うて断られ、歌を詠むと馬が腹痛を起こし、馬子が鯖を施すと再び歌を詠んで痛みを止めたといい、土地の名を鯖瀬と呼び、古い行基庵があると伝える。

原典より

<柳田——「鯖大師」>鯖大師さんのお話を申します。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。

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