巡狩の土御門天皇に薪火を進めた窪鶴王
どんな伝承か
『阿波志』巻之九の和訳による一条。三好郡山城町の山背谷、赤谷名の窪名に住む窪鶴王は藤原姓の家である。承久四年四月、土御門天皇が巡狩してこの地を通った折、雨に濡れて冷えがひどかったので、鶴王が薪の火を差し上げたという。家には古い腰掛、扇、履物、仮名の書が蔵されており、土御門天皇から賜ったものだと言い伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。