驕りで滅んだ宇賀長者と福浦の池の三霊
どんな伝承か
長浜の宇賀長者は国中随一の大富豪で、米の糠を捨てて小山になったのが浦戸南浜の糠塚である。伊勢参宮の折、宮居の質素さを見て自分の厩にも劣ると大言し、帰途の手緒山で故郷の空の火事を見ても、及ばぬことと尻を炙って帰ったところ、屋敷は焼け落ちていた。長者は悶死し、驕りと大言への神罰だったという。さらに留守中、美しい娘を旅の山伏が力ずくで奪おうとし、乳母が娘を連れて逃げたが、長浜の北方半里の福浦で行き詰まり、二人は池に身を投げ、山伏も続いて入水した。以来、池から夜ごと三つの水音と女の泣き声がしたので、神社を建てて三人の霊を祀った。浦戸湾西北の福浦神社で、姫と乳母は縁結びの神とされる。
原典より
<高木―「長者の城跡」柳田——「宇賀長者」・「朝日長者」>さて長浜の宇賀長者は、その名のごとく村中切っては愚か、国中切っての大富豪、大長者で、その家宅は巨大荘厳に、家倉は長浜より続き、西方一里の戸原辺まで達したと言い、豪…—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。