伊豆田坂の三度栗と弘法大師
どんな伝承か
土佐清水市市野瀬の伊豆田坂には、年に七遍花が咲き、三遍食べられる栗があり、三度栗と呼ばれる。よそへ移し植えても実らないという。昔、弘法大師が荷を負い遍路姿でここへ来たとき、子を背負った子どもが栗を取っていた。栗を一つくれと頼むと、木が高いうえ子が泣くので取れないと言う。大師が子を抱いてやるから取れと言い、子どもが取って降りてくると、木が高くて取りにくいと言うので、大師は木を小さくしてやった。さらに年に三遍取れるようにしてほしいと乞われ、その通りにしてやったという。
原典より
<柳田―「三度栗」>この伊豆田坂に、年に七遍花が咲く、三遍食べれる栗がある。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。