破壊を拒む義経馬蹄洗池
どんな伝承か
小松島市勢合の町の裏山、山頂の住吉神社近くの山道沿いに、義経馬蹄池と呼ばれる岩がある。約四メートル四方の岩で、中央に一メートル余りの窪みがあり、いつも水を湛えている。この水は潮の満ち干につれて増減するという。源義経がこの地を通った時に馬の蹄を洗ったことから、義経馬蹄洗池と呼ぶようになった。山の持ち主がこの岩を壊してしまい、今は昔の面影がない。壊すと腹痛が起こるという言い伝えを無視して作業を進めたところ、七日目に作業員が腹痛を起こして中止になったと伝わる。出典は『小松島市史風土記』。
原典より
<柳田―「馬盥石」>勢合の町の裏山の山頂住吉神社付近の山道に沿って、義経馬蹄池という約四米四方の岩石があり中央の窪みが方一米余であって、四時水を湛えている。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。