月星を宿し天から降った千葉石
どんな伝承か
千葉氏の二代忠頼は良文の嫡子で、良文夫婦は化身であったとも、蓮華の上に降りて吉兆を示したとも語られる。延長年間、忠頼が下総で生まれたときには日月の光が差し、さまざまな瑞兆が現れた。産屋から本殿へ移し、家臣たちが集まって祝っていたその日、庭先に空から落ちたと思われる小石が見つかった。石には月と星の形が備わっており、天からの授かりものとして秘蔵されたという。のちにこの石が醍醐天皇の目に触れ、勅によって千葉石の名を賜ったことが千葉の称の起こりで、嫡流は月星を家紋としたと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。