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由布の山霊を鎮めた西行堂

所在地大分県由布市(西行堂)
年代伝承(口承)
登場西行、旅の法師・歌人
出典日本伝説大系 第13巻

どんな伝承か

四月はじめのうららかな日、西行法師は道端の石に腰を下ろし、鶴見や立石の山々を従えて青空に浮かぶ由布の霊峰に見入った。歌帖を開き「豊国の由布の高嶺は富士に似て雲も霞もたえぬなりけり」としたためると、山頂に暗雲が広がり、強風が吹き荒れて山が鳴りはじめる。村人が逃げまどうなか童子が現れ、富士は孝霊天皇の御代に一夜で出来た山、由布は神代からある山だと告げて消えた。西行が上の句の「は」と「に」を入れ替えて詠み直すと、空はもとの春に戻ったという。法師はこの地に庵を建てて二十一日の供養を営み、村人はその堂を西行堂と名付けて山霊神と法師の木像を祀った。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。

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